前回までPDCAをリハビリの大きな流れの中で使っていく……現状把握に始まり、プラン立て(P)、リハビリの実施(D)とその評価(C)。評価内容からプランの調整をかけていく(A)……を紹介しました。
ですが、E-PDCA(理学療法マネジメント)、S-PDCA(通所、訪問のリハマネジメント)で言われているように、事前の情報収集と初期評価が大事です。本来「Plan(計画)」の中に含まれているものですが、あえて分けて表現しないとわかり辛いのでしょうね。そこで今回は「Plan(計画)」の前にしておきたい事を紹介しつつ、臨床実習の学生さんと行う初めてのリハ計画から実施と再評価、計画の再調整を紹介します。
さ~て、何回シリーズになるかな~
学生さんと行う初めての統合と解釈……その前に
さて、そもそも統合と解釈とは何なのか……といつも通り始めていいかな?
「統合」
意味:二つ以上のものを合併して一つにまとめること。「解釈」
意味:文章や物事の意味を、受け手の側から理解すること。また、その理解したところを説明すること。その内容。「統合と解釈」
定義:二つ以上の物をまとめ、それを受け手側が噛み砕いて理解すること。
*一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会 会長 森本 義朗「統合と解釈の捉え方」より
IAIRの会長はそう定義しております。
さあ、統合と解釈の大前提ができましたね。繰り返しますが「二つ以上の物をまとめ、それを受け手側が噛み砕いて理解すること」です。
PDCAの前にすることとは?
PDCAのP=Planを計画の立案だけで考えると色々と足りなくなります。そこで何をどのように集めていくのかを確認しましょう。まずは一般的なリハビリの流れです。

- 医師からの指示箋
- 情報収集(問診、観察、検査測定、他部門からの情報)
- 統合と解釈・全体像の把握
- 問題点の抽出
- 目標設定・治療計画
- リハビリの実施
- 全過程の評価
- 必要な項目の実施、修正
- 再計画と再実施
ほぼ、どこでもこのような流れでしょう。
ちょっと待ってください! 齋藤式では95のプロセスがあります……って多いですよね。多いですが、この一般的な9のプロセスの行間を考えていくと、どうしてもそのような数字になってしまいます。なので齋藤式は今回ひとまず置きます。
この流れから、PDCAならP(Plan)にあたるのが、1~5。EPDCAならE(Evaluation:評価)が2~4、Pが5。SPDCAなら……と、厳密には違うから割愛!
いずれにせよ、PDCAでリハビリを改善サイクルに乗せて行なっていきたいなら、1~5までを如何に行うかが重要になってきます。
SMS「Box16」で考えてみよう!
さて、前回から紹介しているSMS(齋藤式マネジメントシート)の基本形「Box16」を今回も使ってみましょう。

*データが欲しい方はコチラからダウンロード申請してください。
今回はマンダラチャートなどと呼ばれている放射思考で考える書き方をしてみました。

と言っても、先の流れで言うところの1、2……ギリギリ3に足を踏み入れたところまでかな。
このリストを埋めるように情報を集めていけば、最初の情報はほぼ集まってくるでしょう。
え? もっと細かく調べなければならないのでは?
って、これはあくまでチェックリスト!
統合と解釈の前に何を集めたらいいのかをチェックするために書き出したのです。
集める情報をより深く!
確かに、もっと細かく調べたいところですよね。
そこで、先のマンダラチャート式のチェックリストで出てきた項目……「Box16」なだけに16個ありますね。
それぞれに以下の内容で4つずつ確認をしてきましょう!

この図のポイントは、4つに分けて、それぞれ「事実」、「Why」、「What」、「How to」と情報を集める事にあります。
ありますが……盛りだくさんなので、今回はここまでにしておきましょう。
今回タイトルに「学生さんと初めて行う統合と解釈」と言ったように、「初めてでも、統合と解釈ができるようになる」を目指します。
今更ですが、今回の裏テーマを「可視化」にしていました。
できない、わからないの原因の多くは、現状把握が曖昧だからです。
具体化するためにも、可視化しながらすすめていきましょう!
次回もお楽しみに!
(統合と解釈はまだつづく)
IAIR副会長/作業療法士
齋藤 信
追伸
この齋藤式マネジメントシート(SMS)「Box16」をダウンロードして使ってみたいと言う方はコチラのフォームからダウンロードリンクを手に入れてください。

その他の使い方を紹介
前回はPDCAのサイクルで使う方法を紹介しました。
次回からも、色々と使い方を紹介します。お楽しみに!




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