療法士の生涯賃金が中卒者より低いという噂【管理職の学校】(20)

療法士の価値創造

療法士の生涯賃金が中卒者より低いという噂があった。果たしてそうなのだろうか?
気になったので調べてみたところ、作業療法士、理学療法士の生涯賃金は約1億6000万円。言語聴覚士のデータが見つからず。そして中卒者は1億9000万円(おや?)、高卒、高専、短大卒は2億4000万円(え?)、大卒は2億8000万円(うそ?)というデータ(平成28年賃金構造基本統計調査より)が……。

どうやら噂ではなかったようだ。さて、この数字を見て、あなたは何を感じただろう?

 

◆ 夢がないと嘆いて終わるのか?

単純に金額だけを見ると、国家資格を持ち、人によっては大学を出てもいる(むしろ最近は大卒療法士の方が増え続けているのではないだろうか)。さすがにこの金額だけをみるとガッカリしてしまう。

過去筆者が専門学校時代に受けた教育には「作業療法士はお金を稼いではならない」というものがあった。だが現場に出てみればお金の話ばかり。学生時代にお金に対して思考停止になっていたのは今の思考過程にも影響を与えてくるものがある。

この数字だけを見て、思考停止しないでほしい。夢を諦めさせるためにこの数字を出したのではないのだから。

見ないふりして、目の前の患者さんに全力を尽くせば報われるわけではない。これは医療人の燃え尽き症候群の原因にもなっている。

「目の前の患者さんに全力を尽くせば報われる!」

それだけを押してくる上司はちょっと待て! やり甲斐の押し付けになっていないか?

部下のキャリア形成や人生も含めて考えた言葉なのだろうか?

 

◆ やり甲斐搾取はNG!

やり甲斐搾取という言葉があるそうだ。筆者は賃金ではなくやり甲斐を重視し、それを押し付けてくることと捉えている。この発端は『あさイチ』(NHK)の中で、「働き方」についての特集を組まれた際に若者から批判が殺到したとのこと。40代と30代とで既に意見が大きく分かれたそうだ。当然、若い世代は状況をよく見ている。年功序列による昇給や生涯雇用が望めない世代にとっては、仕事はあくまで人生の一部であり、生活を維持する手段の一つだ。更に言えば、ネットで情報を得られる時代、より効果的、効率的な働き方や生き方を知ることができるだけに、40代以降のネットリテラシーが低い叩き上げ世代にとっては、若い世代の思考についていけないのだ。

やり甲斐を見つけても生活出来ないのでは元も子もないではないか、という意見に同意するところだ。

 

◆ これから君はどう働くのか?

とはいえ、だ。療法士が生涯賃金以上にお金を得ようとした際、どのような選択肢があるのだろうか? 選択肢が保険診療外の起業一択しかないかのような誤認識の発端になった責任がある。もちろん、当時はそれが療法士の選択の一つとして自信をもって提案していた。だが時代は変わった。だからこそ改めて「療法士の働き方」を考え、提案しよう。

まず、保険診療下で、今の職場でしっかりと患者さんに結果を出していく。そうすることで信頼と信用を得て、これからの院内の経営に携わっていくのも一つ。

より個人のキャリアになり社会における療法士の価値を発信していくのも一つ。

療法士の資格を持ちながら、医療や福祉以外の企業に入り、療法士としての経験や知識を活かしていくのも一つ。

先のお金の話であったように、思考停止してはいられない。時代が変わったことと、これからまだまだ変化していくことを前提に今、何をするのか、何を考えるのかが求められるのだ。

もちろん、療法士に限局している時点で思考停止になる要素が満載だ。

だが、筆者も作業療法士の資格を持つ以上、療法士の価値を創造し、社会で活躍できる人材をふやしていきたいという思いがあるのだ。

改めて考えてほしい。これから君はどう働くのか?

 

◆ 正解の無い時代にようこそ!

今、我々は大きな過渡期を迎えている。医療は誰かに与えてもらうものではなく、医療に関わる一人一人が最適な医療を選ぶことができる世の中に変わるのを、傍観し、思考停止し、流されていくのか? 自ら療法士としての価値を認識し、行動し続けるのか? 自身の選択次第で大きく変わる時代を迎えたのだ。

分岐点とも言えるこの時、療法士の教育の一端を担うIAIRとしては、療法士の可能性を信じ、医療にとどまることなく、社会に貢献できる場を創っていく。

一緒に新しい時代を歩みたい方にへの感謝と共に。

 

◆ まとめると……

  • 現状賃金自体はかなりシビア。
  • やり甲斐搾取に陥らない、陥らせない。
  • 療法士の働き方を考え、思考停止しない。
  • 療法士の価値を創造し、社会貢献できる人材へ。

まだ明確にコレ!と書けないことを許してほしい。

だが、年初に会長が挨拶と共に認定資格を持つ療法士により具体的な価値を届けるための取り組みを紹介している。あわせて見てほしい。
>>> https://iairjapan.jp/archives/12705

IAIR副会長齋藤信
IAIR副会長 作業療法士 齋藤 信

追伸1:一緒に新しい時代を創りたい方へ

IAIR会員の皆さんに、具体的な社会貢献に携わる事業モデルを提案します。
今、僕たちは理念に共感いただける仲間を求めています。

IAIR会員登録はこちら >>> https://iairjapan.jp/join

 

追伸2:いや、まず技術が欲しいです!

もちろん、目の前の患者さんに信用いただける療法士になるのが大前提です。

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引用・参考

平成28年賃金構造基本統計調査より
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2016/index.html

 

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今回の内容はかなりシビアな部分もありますが、希望は捨てておりません!
療法士の可能性は僕たち自身が最も信じていかなければ!
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ABOUTこの記事をかいた人

Makoto Saito

作業療法塾塾長、臨床共育マネジメント主宰、IAIR副会長! 精神科作業療法士として13年臨床経験を重ねたのち、起業。臨床教育を共育にCHANGEするというビジョンのものと、療法士の育成に人生の全てを懸けている。 また、臨床共育メンター®養成として、臨床指導者や管理職向けの講義、コーチングも行っている。