学問の探究は最適な提案の為に!【臨床共育】(30)

提案の専門家

前回はIAIRの理念のうち「夢の探求」について紐解いていった。夢は誰でもみることはできる。誰に迷惑をかけるものではない。だが、夢を実行に移そうとすればそこに責任が生まれる。最も身近で今すぐできる事、自分との約束を守ること。その責任を果たし続けることで夢は志となる。それが夢の探求。そして学問の探究とは、あらゆる情報を知り、それを理解し、十分に咀嚼し、臨床で行う為に必要な事を提案できるまで探究していくことだ。今回は「学問の探究」について話をしよう。

 

そもそも学問ってなんだ?

大前提を話さずに進めると誤解が生じる。今回お伝えする「学問」は、いわゆる辞書で言われる学問でもなく、療法士の中での共通認識としての学問とも少々異なる部分がある。いや、全て内包していると言った方が適切かもしれない。学問ときくと、その道のプロであるとか、一つの道を突き詰めるような印象を持つかもしれない。療法士視点なら、医学、解剖学、生理学などを究めることのように思うかもしれない。そこではない。いや、それだけではない。IAIRで使う「学問」とは、臨床現場でリハビリを行うために必要なことに関連する情報全てを指す。

 

IAIRのいう学問は何の為にある?

やはりまだ説明が足りない。「臨床現場でリハビリを行うために必要なことに関連する情報全て」と言ってしまうと、学ぶだけになってしまう。情報を収集し、蓄積させて終わってしまう。そこではない。学んだら、必ずある問いをしなければならない。それは「何の為に」学ぶのか? そう、IAIRのいう学問は、臨床現場で患者、クライエント、リハビリに携わる全ての人に「提案」する為にある。

 

何を提案するのか?

では「提案」とは何か? 前回の「夢の探求」では自分自身を振り返ることで夢が志に変わるという話をしたが、自分自身を振り返ることであるものが自身のなかに芽生えてくる。それは「謙虚さ」だ。偏った学びをしていると、この謙虚さが置き去りになる。全ては相手が知っている。だが本人はその可能性を信じていなかったり、問題や課題が顕在化しておらず、潜在的な情報として隠されている。それらを引き出し、最適解を共に導き出す過程がリハビリだ。謙虚に寄りそい、謙虚に話を伺い、謙虚に「選択肢」を提案することなのだ。

 

選択肢を提示する為に学問がある

まとめると、学問の探究とは、あらゆる情報を知り、それを理解し、十分に咀嚼して初めて提案できる能力なのだ。一つの道の専門家になるのではなく、「提案の専門家」として相手の可能性と潜在的な問題や課題などの情報を引き出し、選択肢を提案する為にあらゆる学問を提示できるまで探究する力がこれからの療法士に求められる力であり、IAIRの提案する「学問の探究」なのだ。

さて……2回にわたってIAIRの理念「夢の探求・学問の探究」に触れてきた。森本会長の伝えたい想いが少しでも伝わっていたら嬉しく思う。

次回はちょうど年度末。2017年度最後のコラムとなる。2018年度に向けて今年度最後の振り返りとなる話をしようと思う。心機一転のチャンスとしてくれたら嬉しく思う。

齋藤信
IAIR副会長/作業療法士 齋藤 信

追伸1:IAIR会員更新のお知らせは……

IAIR正会員の皆さん、明日の会員限定メルマガからIAIR会員の更新についてお知らせが届きます。
なんと……更新される方には非売品のIAIR学会動画教材の視聴権が……これまで講演いただいた先生方の講義を視聴いただければ、あなたの提案できる選択肢が増えること間違いなし。ちなみに齋藤は川嶋朗先生の講義で提案できるエビデンスとは?を考えるようになりました。

 

追伸2:患者に提案するプロセスのひとつが技術を学ぶ事

前回もお伝えしましたが、療法士の業界で発言力を高めるには、一定の技術力に裏打ちされた自信です。
そして何より、全身を一通り評価できる事で、患者さんやクライエントさんに提案できることが明確になります。
結果として関係性を高めていく事が可能になります。
技術研修を通じて、あなたの全人的成長を促すことができるプログラム。それがIAIR認定講座です。
まずは手数が欲しい、そんな入り口でも構いません。出口に到達し過去を振り返った時、過去受講するかどうかで悩んでいた自分にこう、声をかけたくなりますよ。

「まずは1つでいいから受講してみなよ」ってね。

認定講座の情報はこちら >>> https://iairjapan.jp/license

 

追伸3:相手の物語りを引き出し、提案する為の方法!

新講義、「ストーリー・セラピー™ -EBMとNBMをつなぐ物語り-」を近日募集開始します。
事前にEラーニングで理論と宿題を、当日はワークショップとフィードバックを中心に、後日はオンライン講義で参加者限定フォローアップという、これまでIAIRで行って来なかったスタイルでの開催を準備中。
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ABOUTこの記事をかいた人

Makoto Saito

作業療法塾塾長、臨床共育マネジメント主宰、IAIR副会長! 精神科作業療法士として13年臨床経験を重ねたのち、起業。臨床教育を共育にCHANGEするというビジョンのものと、療法士の育成に人生の全てを懸けている。 また、臨床共育メンター®養成として、臨床指導者や管理職向けの講義、コーチングも行っている。