療法士の学びは投資か?浪費か?【管理職の学校】(21)

療法士のキャリアデザインという言葉がようやく聞かれ始めた。以前からある言葉で、既に知っている療法士達は自らの生き方を選択し、構築し続けている。このキャリアデザインを考える上で、何を学ぶか、何を実践するかなど、効率化や絞ることに注目しがちだ。だが果たしてそうなのだろうか? 時代の変わる過渡期に生きる我々療法士は、今、何を学べばいいのだろうか?

 

◆ アナタの学びは浪費か?

浪費型学習と投資型学習という言葉がある。自らの学びがどちらなのか、と分ける考え方だ。筆者も以前、新人研修で生産的勉強法として、これらを消費型学びと生産的学びに分けて解説したことがある。チェックリストを添付したので、今すぐチェックしてほしい。 学びのタイプ

どうだろうか? 自身が勉強に対して何を考えているのかが見えてきたのではないだろうか?

1~4までにチェックがついた方は消費型傾向、5~8までチェックがついた方は生産的傾向がある。どちらもバランス良く……という方は、本当に心の底からその回答かを振り返ることをお勧めする。(図の引用:*2臨床共育マネジメント研究所 セルフマネジメント2より)

 

◆ 学びは浪費なのだろうか?

そもそも浪費とは何を指すのだろう? 投資との違いは何なのだろう? 最もシンプルな回答をすれば「給料が上がるか上がらないか」なのだが、果たしてそれだけなのだろうか?

確かに今はインターネットで何でも無料で手に入る。情報の価値が限りなく「0」に近づいた時代だ。無料で知った情報はあくまで情報であり、学びがあり、知識と成り、実践することで使っている知識になる。それに至るには、作業療法論などで語られる「療法士自身の生活感」が必要になる。難しく言ったが、経験や体験がそれだ。その視点から語ってしまえば「浪費型」は存在しないということになってしまう。切り口を変えれば意見が180度変わってしまう。とすれば、そもそも学びにはどちらも内包していることになる。確かに給料だけの問題ではない。そしてやみくもな学びは確かに浪費と言われても仕方ないのもまた事実だろう。

 

◆ 生産的学び、投資型学習とする足がかり

では、生産的な学びや投資型学習とは一体何なのか? キャリアデザインと言う言い方は確かに響きもいいが、まだ共通言語になりきっていない。しかもキャリアを仕事中心で考えると狭い範囲での思考に陥る。(もちろん今言われているキャリアデザインは人生をデザインすることにつながる考え方であることは言い含めておく)ここで改めて考えてほしいのが「何の為に学ぶのか?」だ。

筆者が学び始めた理由は「妻に楽をさせたいから」だ。もちろん患者さんの為であってもいい。職場や地域、ひいては日本を変えたいという志からでもいい。目的から始まることが大切なのだ。

この目的次第で消費型、浪費型に陥ることはなくなるだろう。

 

◆ 目的よりも眼前の飯

だが、先の療法士の生涯賃金でも語ったことだが、大きな過渡期にいることで、全体的にワーキングプアであり、投資に見合った給料が得られない現状がある。国のお金、税金からなる診療報酬から給料を得ている身では、国や都道府県、少なくとも組織のルールが変わらない限り難しい話だ。しかも、今の若い世代は今れた時から「不景気」と言われ続け「好景気」を体験したことがある者はいない。50代以上のベテラン層とそもそも価値観が違う。冷静に状況を見ている若手達にしてみれば、大きなことをしてビッグリターンを期待してはいない。今の現状を守り、今より悪化しないよう今を生きる事に注力しているのだ。だが、だからと言って、熱意がないとか、やる気がないわけではない。自身が価値ありと認めた事には全てを投げ打ってでも時間やお金を投資する情熱を持っている。それがただ仕事に向かっているわけではない、というだけなのだ。

 

◆ 現状維持を考えるなら、時代の方向性を知る為に政策を知ろう

ご存知だろうか? 自由民主党のホームページでは政策についてをPDFデータで公開していることを(*1:総合政策集2017 J-ファイル)。やみくもに何でもかんでも勉強していればいいのかといえば、そうではない。療法士個人の政治観はさておいて、現在主導している政権組織が何を考え、診療報酬に対して方向性を示しているのかを知ることは、この先の療法士としての生き方にも関わってくる。例え今この時に主導する政権組織が変わったところで、決議され、動き出しているものは決められた通りに動くことは周知のことだろう。まず今を知ること。そしてそれをどう解釈するかが我々に求められることなのだ。

 

◆ もし仕事に目的を見出せないなら?

もし、どうしても仕事の中で学ぶ方向性がハッキリしない、人生の目的とか言われても、どうしたらいいか分からない。効果的に学びたいし、失敗もしたくない。やってがっかりしたり、損をした気分になりたくない。そんな時は、まず今の職場の仕事を誰よりもできるようになる事だ。それが無駄だという人もいる。だが、言ったその人はそんな無駄な努力を重ねてきたから発言に重みがあるし、伝わるのだ。効率的にしようとして上手くいかない場合は、あなたの経験や体験がたりないという事だ。無駄な努力はしない方がいい、と言う人にはそれなりの背景が、経験や体験があってのことだと覚えておこう。

もちろん、忘れてならないのは、療法士なので技術的研鑽や患者さんに結果を出さないと発言力は皆無。認めてはもらえない。

あなたがその人の言葉を信じた理由の一つには、結果を出している人だから、のはずだ。

改めて言おう、まずは今の仕事を通じて経験と体験を積もう。

無駄な努力は一切なかった。だから今の自分が在る。そう自信を持って言える筆者からのアドバイスだ。

 

◆ まとめると

  • キャリアを考えることは人生をデザインすること
  • 何が浪費か見極め、投資型学びをしよう。
  • 迷ったら国の方針をチェックする。
  • 目的を考える。見つからないなら、今の仕事を全力で!

前回、今回と少しばかりキツめの話をした。

だが、筆者と筆者が所属するIAIR……一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会は、療法士にはまだまだ未来があると確信している。

なぜなら、我々が伝えているのは、技術を通じて変化する世の中を生きて行く術だからだ。

我々は飢えない為に魚を提供するのではなく、魚の釣り方を提供しているのだ。

統合型療法士が世の中で求められる時代に移行しはや7年。時代が大きく動き出すにはいい時期になってきた。

今からでも遅くない。失敗したくないなら、何をどう学ぶのかを共に考えていこう。

その為の場の一つが、IAIRなのだから。

主宰齋藤信
IAIR副会長 作業療法士 齋藤 信

 

追伸1:一緒に新しい時代を創りたい方へ

IAIR会員の皆さんに、具体的な社会貢献に携わる事業モデルを提案します。
今、僕たちは理念に共感いただける仲間を求めています。

IAIR会員登録はこちら >>> https://iairjapan.jp/join

 

追伸2:技術を通じて生き残る術を失敗なく学びたい方へ

目の前の患者さんに信用いただける療法士になるのが大前提です。
技術研修のコースを通じて、あなたの人生を共にデザインしていきましょう。

オススメ講義 >>> https://iairjapan.jp/license

 

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ABOUTこの記事をかいた人

Makoto Saito

作業療法塾塾長、臨床共育マネジメント主宰、IAIR副会長! 精神科作業療法士として13年臨床経験を重ねたのち、起業。臨床教育を共育にCHANGEするというビジョンのものと、療法士の育成に人生の全てを懸けている。 また、臨床共育メンター®養成として、臨床指導者や管理職向けの講義、コーチングも行っている。